7月21日(木)にニフティセミナールームにてニフティクラウドmobile backend アプリ解析/マーケティングセミナーが開催されました。この記事はそのレポートになります。
O2Oマーケティングを推進するためのビッグデータ分析やプライベートDMP活用方法について
株式会社ALBERT 代表取締役社長 上村 崇様
ビッグデータ活用による実現したいこと、1位はマーケティング課題の解決です。
そこで私たちが開発しているのがsmartcA!DMPで、オムニチャネル対応のDMPになります。
- センサーデータ
- アクセスログ
- 外部から取れるオープンデータ
- POSデータ
データを一元的に蓄積できるデータウェアハウスを基本として、データマイニングエンジンがビッグデータを自動的に解析します。キャンペーンマネジメントがオムニチャネルマーケティングを行います。複数のチャネルを一つのストーリーをもって、コミュニケーションしていきます。
プライベートDMPへのニーズが高まっており、以下の3パターンで導入が行われています。
- 独自開発
- スモールスタート、スケーラブル
- セミ・オーダー、カフェテリア式
例として、次の企業が導入しています。
- ニッセン
- dinos
- ベルメゾン
smartcA!DMPは一人一人の行動、購買実績をデータ解析し、顧客ロイヤリティを拡大させます。店舗も連動できるので、日本旅行のような店頭、電話でのチャネルを持った企業でも使われています。
日産、食品メーカーは販売機能はないのだけれどsmartcA!DMPを使って販売店の支援を行っています。別な事例としてはネクスト社があります。ネクスト社はHOME'Sという不動産メディアを持っています。1年、1年半に渡ってオフライン、メールなどコミュニティケーションをとっていくという方法です。
小売業におけるオムニチャネルの事例
商品DNAと顧客DNAの活用。ユーザIDに紐付けます。商品DNAは商品がもつ価値観、ライフスタイルごとに分類しています。顧客DNAは30代、男性、会社員などといった分類で、購入データ分析をしてクラスタリングします。
来店時クーポンは音性認識術を使っています。これはエヴィクサーの音を認識する技術を使っています。2種類あり、
- フィンガープリント(音の特徴)
- ウォーターマーク(音に別な信号を入れる)
となります。実例としてはイオンやファミラジ、さらに渋谷のビジョンで森永乳業がマーケティングを行っています。
データマネジメントプラットフォームとの連携も大事です。ゲスト一人一人に最適化されたコンテンツを適切な場所で、適切なタイミングで配信することができます。音性認識でゲストの場所と接触コンテンツを特定するほか、CRM系データも一意のIDを持って連携します。
最新のアプリマーケティング全体像と求められるソリューション
株式会社オプト データテクノロジー推進部 チームマネージャー 伊藤 瑞樹(いとう みずき)様
アプリプロモーションの全体像
アプリプロモーションではAARRRモデルが重要であるとされています。
- 獲得(Acquisition)
- インストールプロモーション
- Actication(活性化)
- リエンゲージメントプロモーション
- Retention(継続)
- Revenue
- Referral(紹介)
インストールプロモーション
- ASO施策
- App Store Optimization
- 見つけてもらう 検索されるキーワード
- 興味を引く インストールページを最適化。アイコン、タイトル、説明文、スクリーンショット、レビューの数
- App Store Optimization
- オウンドメディア施策
- 自社メディア Webからアプリをダウンロードさせるスマートバナー
- メール
- 広告集客
- リワード、ネイティブ、動画などなど
- ユーザの数とユーザの質によって考える。
アプリをダウンロードしたきっかけでアプリストアで検索したというのが最も多いです(40.4%)。
リエンゲージプロモーション
- プッシュ通知
- LINEビジネスコネクト
- 広告施策
85%…アプリをDL後、1週間で使わなくなってしまうユーザの数です。既存顧客の活性化が大事です。そのためには継続率をあげていく必要があります。とは言え、大量のプッシュ通知がうざくて半分くらいのユーザはアプリを削除しているという事実があります。
LINEビジネスコネクト
開封率55%と非常に高くなっています。オプトではTSUNAGARUというサービスで提供中です。
広告施策
FB広告、Twitter、nend、Google、Yahoo、i-mobileなど。
- ユーザの許諾が必要ない
- 長期休眠ユーザにも効果的
プロモーション実施に必要なソリューションは?
施策効果を可視化します。そのためにはコミュニケーションを最適化する必要があります。オプト社では2種類のサービスがあります。
- adjust
- 広告効果測定
- アプリ内行動解析
- Spin App
- データ分析
- データ活用
adjustでは広告クリックからの動きを測定します。
- 流入の効率が良いプロモーションはどれか?
- 流入させたユーザは継続起動やCVしているのか
- 広告レポート
- リテンションレポート
Spin Appではコミュニケーションの最適化(誰に、どこに、何を、どう届けるのか)を行います。誰、についてはユーザステータス(クラスタリング)を行います。例えば以下の2パターンがあります。
- 課金のありなし × 起動状況
- チャネル設計(プッシュ通知ON/OFF、LINEのOK/NG、広告)
ディープリンク機能
従来はアプリのトップだったのですが、ちゃんと商品ページに誘導する施策です。さらにアプリインストール前のユーザはインストール後、ディープリンクに飛ばす(Deffered Deeplink)のが大事です。
ニフティクラウド mobile backendのプッシュ通知が握るアプリマーケティング成功の鍵
ニフティクラウド mobile backend エバンジェリスト 中津川 篤司 氏
最後に私の方からニフティクラウド mobile backendを組み合わせたアプリマーケティングの方法について紹介しました。
ニフティクラウド mobile backendでは位置情報検索がサポートされています。二つの検索方法があり、一つは中心と半径を使った円形の絞り込み、もう一つは二点を使った長方形の囲い込みです。詳しくはmBaaSにおける位置情報の絞り込みについて | BACKEND AS A SERVICE mbaas BLOGをご覧ください。
しかしプッシュ通知を作成する場合、絞り込みに使える位置情報は基本的に一つです。「今」いる場所に基づいてプッシュ通知を出すのは困難です。そこで使ってみたいのがSilent Remote Notificationになります。プッシュ通知を送信し、スマートフォン側で現在の位置情報と見比べて通知を出す仕組みになります。これは京王アプリで使われている方法です。
プッシュ通知のメリットは大きく3つあります。まずメールマーケティングに比べて圧倒的に高い開封率です。約20〜25%程度あります。さらに忘れてしまっていたアプリを思い出させる効果もあります。最後にほぼ確実にユーザに届くということです。
O2Oに関連したプッシュ通知の使い方としては「生活密着型」「店舗固定型」「イベント連動型」に分けて考えることができます。詳しくはO2Oアプリにおけるプッシュ通知の頻度の考え方 | BACKEND AS A SERVICE mbaas BLOGをご覧ください。
なお、位置情報はセグメントを分ける手法としてはとても強力なものになります。10万ユーザにダウンロードされていたとしても、位置情報で絞り込むと100人も対象にいない可能性があります。かといって対象を広げると効果も薄れてしまいます。
送る頻度と合わせて送信対象を上手に絞り込んだ上でアプリマーケティングに活用してください。
ニフティクラウド mobile backendでは今後も定期的にセミナーを開催していきます。興味のあるジャンルがありましたらぜひご参加ください!