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mobile backendゲーム活用事例『君の目的はボクを殺すこと。』開発者インタビュー

こんにちは、ニフティクラウド mobile backend エヴァンジェリストの一條です。

『ひとりぼっち惑星』に続きまして、ゲームアプリ開発者にニフティクラウド mobile backend(以下、mobile backend)を使ってもらった事例をお聞きするこのコーナー。

(『ひとりぼっち惑星』インタビューはこちら

今回は大ヒット放置ゲーム、『君の目的はボクを殺すこと。』の作者ヤマダ@_yhirokiさんにお話を伺いました。

y_plk0sp ヤマダさん近影

 

テーマは「プッシュ通知」。というより、mobile backendのプッシュ通知+他社サーバーサービスの組み合わせ事例です。

せっかくなので、小規模めな放置ゲームアプリで、「プッシュ通知」をどのように活用すると効果的なのか?についても、ヒントをお聞きしました。


『君の目的はボクを殺すこと。』ゲーム概要を教えて下さい。

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いわゆる「放置ゲーム」と呼ばれるタイプのカジュアルゲームアプリです。

ゲームに迷い込んだあなたは、猫のような【魔神】から「ボクを殺してくれ」と頼まれます。魔神の殺し方はとっても簡単で、「タマちゃん」と呼ばれる魔法生物を指でぷちぷちとなぞるだけ。これがあまりに気持ちよく、あなたは【魔神殺し】の快感にのめり込んでいきます。

「なぜ魔神は自分を殺させるのか?」

「魔神を殺すと何が起きるのか?」

魔神を次々に殺しながら、これらの謎を紐解いていくゲームです。

開発は2人で行いました。ヤマダ@_yhirokiが実装全般、もう1人がデザインやストーリーを担当しています。

開発期間はファーストリリースまでが2ヶ月。それからさらに2ヶ月をかけて、ボリュームが倍増するくらいの大型アップデートを行いました。その後は新作の開発をしながら、並行して海外展開や細かい調整を行っています。

mobile backendを選んだ理由はなんですか?

開発前から、いくつかのmBaaSサービスを比較検討しました。

その際に最も気にしたのは、「サービスを長期間続けてくれそうか」ということです。その点、mobile backendは大手企業のクライアントが多そうですし、運営母体がニフティ株式会社というところも安心感がありました。

その他には「Unityに対応している」「無料プランがある」「個人開発者の導入実績がある」「日本語のドキュメントがある」といった点を重視し、総合的に考えてmobile backendを選択しました。良い選択だったと思っています。

具体的に、どのようにプッシュ機能を使っていますか?

シンプルに、全ユーザーに同じメッセージを一斉送信する、といったことしかしていません。実は絞り込みの方法はよくわからず、使ったことがありません。活用方法があれば知りたいです。

送る内容としては「アップデート通知」「新作の予約開始通知」などがメインですが、少し変わった使い方として下記二つをご紹介します。

★時間限定イベントのヒント

特定の時間帯にしか入手できないアイテムがあるのですが、ゲーム内ではそのヒントしかわからないようになっています。たとえば「サタデー・ナイト・フィーバー」とだけ与えられるヒントがあり、これは「土曜の夜21時から22時の間にフィーバーモードを使う」のが正解なのですが、サタデーとフィーバーがわかってもナイトが何時を指すのかははっきりしません。

そこでプッシュ通知機能を使い、土曜の21時になったら「サタデー・ナイト・フィーバーの時間だね」とメッセージを送るようにしました。あと一歩のところまでヒントの答えにたどり着いているユーザーには、正解がわかる通知になったのではないかと思います。

★季節ネタ・時事ネタ

ゲーム内容とは一切関係なく、ときどき季節ネタや時事ネタのメッセージを送りました。

たとえばエイプリルフールのお昼ごろに「実写映画化が決定したよ」と送り、その夜に「今日は何回だまされたかい?」とネタばらしをしたり。

あとこれは新作の予約開始の通知ですが、「最新作の事前登録が始まったよ。ポケモンGOで忙しいところ悪いが、登録してみないかい?」と時事ネタを混ぜたりもしました。

単純にアプリ起動を促すだけだとユーザーに煙たがられそうですが、通知そのものがひとつのネタになっていると、むしろ喜んでもらえる可能性もあると思います。『君の目的はボクを殺すこと。』の場合はキャラの性格がはっきりしていることもあり、こういった通知を送りやすかったです。

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英語、中国語、韓国語版もプッシュはmobile backendですか?

海外版でもすべてmobile backendを使わせていただいております。

ただ、海外版はアップデート回数が少なかったり、季節ネタを送ろうにも文章が書けなかったりするので、今のところほとんど活用できておりません……。使いそうな文言を各言語であらかじめ用意しておけばよかったな、と反省しております。

mobile backendでは日時を指定して通知予約ができるので、文言さえあれば一年分の通知を予約しておく、という使い方もできそうです。ただ、送信日時を決める際は時差を気にした方が良さそうですね。

個人/小規模の広告系アプリ開発者に、プッシュ通知はお勧めしますか?

おすすめします!

広告系アプリという観点でいうと、プッシュ通知を送った日は起動率が確実に増えるので、広告売上に良い影響があります。また、プッシュ通知を活用することで、ユーザーと長期的な繋がりを築きやすくなると思います。

話は少しそれますが、小規模開発者は宣伝力で大手に太刀打ちできないので、自分のアプリそのものを宣伝媒体にする必要があると考えています。最近の例ですと、『ひとりぼっち惑星』や『ママにゲーム隠された』のヒットによって、同じ開発者のシリーズアプリも軒並みヒットしたことが記憶に新しいです。

いま挙げたのは「最新作の影響で過去作品もヒットした」例ですが、本来は逆パターンの方がやりやすいはずです。また、先に挙げた2アプリについても、既に過去作品でファンを抱えていたわけで、それがあの大ヒットの土台になった部分はあると思います。

個人/小規模の広告系アプリ開発というと、一発ネタアプリを出してSNSでのバズを期待する、といったやり方もありますが、自分は怖くてその戦略は取れません。再現性がないからです。それよりは、ユーザーと長期的な繋がりを作り、新作を継続してプレイしてもらえるようにする方が時間と手間はかかりますが確実だと考えています。

話が回りくどくなりましたが、ユーザーとの長期的な繋がりを築くためにも、プッシュ通知はおすすめです。カジュアルゲームアプリは寿命が短くなりがちですが、プッシュ通知をうまく使えばアプリをクリアしたユーザーにもコンタクトを取れるからです。また、季節の挨拶などを活用すれば、定期的にアプリを思い出してもらうこともできるかもしれません。年賀状みたいなものですね。

最後に、個人/小規模開発の場合は工数が限られています。自分もゲーム本編の開発だけに集中したいと常々思っています。そのためにもサボれるところはサボることが重要です。個人/小規模開発者こそ、mobile backendのようなサービスを活用して、自分で作らなくてもいいところはどんどんサボっていくべきだと思っています。

データ管理はmobile backendのデータストア機能を使わず、他社サービスを使っている理由

実は、mobile backendのデータストア機能は『ひとりぼっち惑星』で初めて知りました…。『君の目的はボクを殺すこと。』の開発時は単純に知らず、今回は使い慣れたさくらVPSを利用しました。データストア機能はお手軽そうなので、もしかしたら今後使わせていただくかもしれません。

ただ、前述の「サボれるところはサボるべき」という話と矛盾しますが、アプリにとって重要度の高い機能、「これが動かなくなるとアプリが破綻する」といったものに関しては、リスクヘッジのために自前で用意する可能性が高いです。それはmobile backendを信頼していないわけではなく、mBaaSである以上、サービス形態の変化や仕様変更、価格変更などで使い続けることができなくなってしまう可能性があるからです。もちろんVPSサービスにもそのリスクはありますが、その場合は「ドメインの向き先を変える」といった対処法も考えられます。

なのでデータストア機能の使い道としては、「なくてもゲームの根幹は破綻しないけど、あると楽しい機能」が向いていそうだな、と個人的には考えています。たとえばランキング機能などです。iOSのGame CenterはAndroidで使えませんが、データストア機能ではそういった垣根がないので、移行するだけでもメリットがあるかもしれません。また、一條さんがサンプルを作られている「コメント機能」「ゴースト機能」なども良い使い道だと思いました。

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mobile backendへの今後のご要望がありましたらお教え下さい。

いきなり細かい話で恐縮ですが、アプリ起動の度にAPIリクエストがカウントされる仕様を直していただけたら嬉しいです。プッシュ通知しか使用していない場合、初回起動時以外のAPIリクエストは不要だと思うのですが、普通に実装すると毎回リクエストしてしまいます。そして、このリクエスト回数にはプランごとの制限があるので、複数のアプリを利用していると地味に気になってきます。ご対応いただけますと嬉しいです。

あと、無料プランの上がいきなり月額30,000円(2016年9月29日当時)のプランで、かつアップグレードしたらダウングレードできないというのは、個人/小規模開発者には少々使いづらいと思います。もちろん無料プランでかなり使えるので本当にありがたいのですが、ランキングが急上昇したときなどはその制限を超えかねません。しかし、何ヶ月もその状態が続くことは稀でしょうから、ゆくゆくは月額の固定費が手痛くなってくると思います。アップダウンの激しい個人アプリ開発者からすると、利用量に合わせたプラン変更ができるとかなり助かります。

無料プランだと問い合わせができない、ユーザーコミュニティはあるものの反応が薄い、といったことが以前は気になっていましたが、一條さんが参画してくださってあまり気にならなくなりました。何かあっても気軽に聞ける相手がいると格別の安心感があります。本当にありがとうございます。

いろいろと申しましたが、本当にお願いしたいのはひとつだけです。おわらないで!

(ところにょりさん、パクってすみません)

開発中の「君の目的はボクを殺すこと3」の魅力について

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前作でご好評いただいた「ストーリーの面白さ」「爽快感」はそのままに、ゲームとしての奥深さとやり込み要素を思いっきりパワーアップさせました。前作を楽しんでいただけた方にはきっと気に入っていただけると思います。

……なのですが、なぜか魔神は「前作をプレイした奴は今すぐ立ち去れ!!」と憤ってらっしゃいます。そもそも、「2」なんて出ていないのに、なぜ「3」なのか?今作も謎要素満載でお届けしますので、どうぞお楽しみに。

なお、登録者数に応じて特典が豪華になる事前登録キャンペーンを開催中です。999万人集まると『究極のアーティファクト・たまごかけごはん』がプレゼントされますので、ぜひご参加ください。現在の登録者数は6,000人ほどで、999万人に向けて順調に推移しています。

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以上となります。いかがでしたでしょうか?

皆さんが開発しているゲームにも、ぜひプッシュ通知やゲームデータにニフティクラウドmobile backendを導入してみてください!