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「データ集約ビジネスから生まれたアイディア」ルーターがゲームイベントアプリを作った訳

日本ではカジュアルゲームが人気です。パズル&ドラゴンズ、モンスターストライク、魔法使いと黒猫のウィズなど誰もが一度は遊んだことがあるのではないでしょうか。そうしたゲームでは不定期にイベントが実施されます。別なゲームやアニメなどとのコラボレーションや特別なイベントなど、見逃してしまうと次はないためにいつもゲームをチェックする必要があります。なのに大事なイベントに限って逃してしまった経験はないでしょうか。

それを逃さず遊べるようにしてくれるのが先日リリースされたゲーイベ!になります。アプリ構成はMonaca × mBaaSで、サーバレス構成になっています。今回はその開発元である株式会社ルーター社 山本さんと大西さんにインタビューを行いました。

ゲーイベ!
ゲーイベ!

ルーター社はスマートフォンアプリに初参入とのことですが、メインビジネスについて教えてください

ルーターではクライアント企業の要望に応じてWebクローラーを開発してインターネット上から各種データを収集しています。クライアントはそのデータを使って競合分析をしたり、口コミ分析などに役立てています。従って企業向けで営業しています。

今回のゲーイベ!について言えば、各種カジュアルゲームを提供しているサイトのデータを収集、解析してアプリのデータを生成しています。その意味ではこれまで培ってきた技術を利用したアプリとなります。

なぜゲームイベントだったのでしょうか?

元々アイディアは幾つかあったのですが、特にイベント系をきちんとやりたかったんです。ビジネスマンはカレンダー系アプリを手放せませんよね。それと同じようにコンシューマにも役立つイベント情報を配信したいと考えていたのですが、標準アプリのカレンダーはとても使い勝手が良いとは言えません。そこで見やすい画面と役立つ情報の2つをちゃんと提供できればたくさんの人たちに使ってもらえると考えました。

日本のゲーム市場はとても大きく、ユーザ数も多いので今回はゲームイベントとしています。でもイベント系という考えは他でも使えると思っています。

山本さん(左)と大西さん(右)
山本さん(左)と大西さん(右)

今回ははじめてのアプリ提供と聞きましたが

これまで企業向けサービスだけだったので、今回はじめてアプリを開発しました。とは言えネイティブ向け言語(SwiftやJavaなど)を一から覚えるつもりはなく、早い段階でMonacaを使おうと考えていました。開発期間は企画まで含んでもだいたい半年で、普段の業務を進める中での空き時間で作っていきました。

Monacaでもバックエンドサービスを提供しているのですが、本格的に使おうと思うと足りない機能が多かったんです。そんな時、サポートの方に相談したら紹介されたのがニフティクラウド mobile backend(以下mBaaS)でした。

特にプッシュ通知を今後、磨いていきたいと考えています。そのため簡単にプッシュ通知を送れるmBaaSという仕組みは貴重でした。ゲーイベ!はイベント直前に分かれば良いだけなので常に立ち上げておく必要はありません。そこで重要になるのがプッシュ通知です。さらに今はWebのようにPV勝負ではありませんし、メールを使う時代でもありません。どういう通知がユーザと我々にとってベストなのか、今のうちに様々な実験を行っていきたいと考えています。

mBaaSでプッシュ通知以外の機能は使っていますか?

今はデータストア会員管理機能を使っています。匿名会員機能も使っています。ゲーイベ!ではサーバ環境を自前で用意しない、いわゆるサーバレスアーキテクチャを実践しているのでmBaaSの機能を徹底的に使うようにしています。

昔は自分たちでサーバ構築をしていたので、その時によくあるマスター/スレーブ、バックアップ、スケーリングなどを一切気にしないでいいというのが良いです。後は開発環境から本番環境へ移す時によくあるサーバ環境の再設計なども考えないでアプリ開発だけに集中できるのがメリットでした。

速度面は気にしていたのですが、実際使ってみると全く問題なかったですね。無料枠も大きいので、こんなに使ってしまっていいのかなと思うくらい…。

Monacaとの組み合わせはいかがですか?

相性は良いと思います。ネイティブの言語を使わず、Web技術(HTML5/JavaScript/CSS)だけでさくさくと開発できました。Onsen UIも使い勝手が良かったです。ただ、Onsen UI 2.0になるとAngularJSと切り離されるという話なので、今後のアーキテクチャをどうしようかなと悩んでいます。

後はLocalkitを使っているお陰でバージョン管理もしやすくなっています。

ゲーイベ!の今後の予定を教えてください

まずはAndroid版のリリースがあります。これは間もなく発表できるかなと。後は細かな機能改善を進めていきます。それに合わせてプッシュ通知も改善していって、よりユーザにとって良い情報配信を行っていきたいと思います。

これまでに分かっているところでは、通知を受け取る方は通知に関係なくアプリをよく立ち上げているということです。通知を受け取るくらい熱心な人だとアプリも普段から立ち上げてくれるんですね。そういった学びも今後の配信に反映できればと思っています。

社内風景
社内風景

最後にmBaaSを使ってみたいと思っている方へ一言お願いします

ニフティクラウド mobile backendを使わない選択としてはローカル上にSQLiteを置いたり、サーバ開発を行うことになるかと思います。いずれも課題があって、面倒くさいです。mBaaSを使ってみるのは一番簡単にはじめられて、もし要件に合わなければ変えれば良い。最初の選択肢としてお勧めです。


ルーター社はWebデータアグリゲーションや自然言語解析という自社技術があり、それを活かしたのがゲーイベ!になります。これまで企業向けに開発してきた技術をコンシューマ向けに展開するというのは面白いと思います。皆さんも自社技術を使ってどんなアプリが開発できるのかトライしてみてはいかがでしょうか。

ROOTER | 株式会社ルーター