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ニフティクラウド mobile backend アプリマーケティングセミナー レポート その2

6月4日(木)にニフティクラウド mobile backend アプリマーケティングセミナーが開催されました。 アプリマーケの今を知り、今後に活かす2時間 と題して最近のマーケット事情、アプリ改善そしてアプリ開発とマーケターにとって役立つセミナーとなっています。

今回はそのセミナーから株式会社イノベータ 平石氏による発表 ログデータでは分からないユーザー体験を可視化!ユーザーテストを活用したアプリ改善事例大公開! をレポートしたいと思います。

ユーザテストとは?

ユーザテストとはUXを可視化する最も効果的な手法になります。そもそもなぜUXが重要かと言うと、数年前はアプリ自体が少なかったため、できないことをできるようにする(ファンクション)ことでユーザの満足度が測れていました。現在はアプリが飽和しており、ユーザにあった体験を提供する視点にならなければ受け入れて貰えなくなっています。これがUXです。

実際のやり方としてはテストルームのようなところにユーザ(被験者)と観察者およびモデレータがいて、ユーザにタスクを提示してその実行過程を観察するものになります。

一般的にはモックアップ、リリース直前そしてリニューアルのタイミングの3階くらいユーザテストを行うのが良いと言われています。

ユーザテストの効果とは

  • ユーザが想定通り利用しているかの検証
  • コミュニケーションにおける課題発見
  • UIにおける課題発見
  • なぜ、そう行動したかのインサイト

などが得られるようになります。

ユーザテストをすべき方

  • 定量的なデータがまだあまり取れていない
  • 日々の運用で提供的なデータを取っているが、改善にうまく活用できていない
  • これから新しいサービスを立ち上げる
  • サービスのリニューアルを予定している
  • 上司や現場スタッフを説得したい

ユーザテストを通して実際に操作で困っている人たちを見ると改善しようという意欲がわくケースが多いです。

ユーザテストの問題とUIscope

被験者に集まってもらう必要があったり、1回のテストでも1ヶ月くらいかかるなど工数とお金がかかりすぎる問題があります。そこで海外を中心にリモートユーザテストが行われるようになり、イノベータ社でもUIscopeというリモートテストサービスを提供しています。

UIscopeでは操作や思ったことを実際に声に出しながら操作を録画します。

https://youtu.be/Mo9ZxwQ-Igs

ユーザテストはアンケートなどの定量調査に対して、少ない人数で深く掘り下げて調査する定性調査と呼ばれるものになります。実際、5人テストすることで約85%の問題を発見することが可能と言われています。

事例

プッシュ通知が許可されないという問題。アプリ起動時にいきなり出してもダメで、プレパーミッションというプッシュ通知を受け取るとどういったメリットがあるのかを提示するクッションを挟むことで飛躍的に許可率を上げることができたケースがあります。

ヒートマップとの違い

ユーザテストはヒートマップと比較されることがありますが、ヒートマップはあくまでも既存のコンテンツでどこが多く見られたかの結果しか分かりません。なぜ見られているか分かりませんし、そもそもユーザはここにないコンテンツを求めている場合もあります。ユーザテストではそういったユーザの迷っている行動も含めて記録できます。

事例としてユーザが本当に求めている情報がなんなのか分かったり、使っている配色における問題も浮かび上がったというケースもあります。

ゲーム開発における事例

ゲーム開発において3日目での離脱率が非常に高いという問題がありました。ユーザテストを行った結果、ゲームを行っていく中で獲得できるアイテムの説明やその使い方を適切に説明できていないことが分かり、修正を行ったところ継続率が8.9%も向上したケースもあります。

ECサイトでの事例

一定期間は返品無料であったものの、ユーザテストを行ったところ商品のサイズが分からないので注文しづらいという意見が多かった。EC運用事業者の仮説ではそういった視点ではなく、商品説明や画像に問題があると思っていました。そこで返品無料の使い方を説明したところ、売り上げに直結して効果があったとのことです。

まとめ

ユーザテストをすることで運営側が想定していなかった課題を発見できます。また、ユーザのWhyを理解することで次の施策を立てやすくなります。

注意点としてはテスト設計がとても大事です。また、ユーザの声を鵜呑みにするのは危険です。そしてユーザテストはあくまでもツールなので改善&評価を繰り返すのが大事です。


質疑応答では次のような質問があがっていました。

Q. ユーザテストのテストケースの作り方は?

問題が具体的に分かっている場合は、それを目的に設計します。後はユーザに商品を選択するタスク、購入まで行くタスクなどといった具合に幾つかのフェーズに分けて設計を行います。

Q. 1ユーザ/5,000円、オプションで4万円とはどういうことでしょう?

基本料金は5,000円で年代、性別を選択できますが、ターゲティングをもっと細かく行う場合は4万円といった具合になります。ミニマムは5人になっていますので2.5万円から利用可能です。

Q. 主に商業施設向けアプリを提供しているのですが、そういった屋外テストも可能でしょうか?

現在は録画を屋内で行う必要があるので、タスクを屋外でやってもらった後、アンケートで答えてもらうという方法になります。

ユーザーテストサービスのUIscope | UIscope