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ニフティクラウド mobile backend 勉強会 #8「Cocos2d-x」レポート(その1)

5月23日にニフティクラウド mobile backend 勉強会 #8「Cocos2d-x」が開催されました。Chukong Technologies Japanの清水氏、シュハリ社 松浦氏にお話を伺いました。

今回はその勉強会レポートになります。その1として、Chukong Technologies Japan 清水氏の発表を紹介したいと思います。

 

Cocos2d-xはオープンソースです

Cocos2d-xはオープンソースなゲームエンジンで、Windows/Mac OSX/Linux/iOS/Android向けにゲーム開発ができます。C++/Lua/JavaScriptでゲーム開発が可能です。

オープンソースなので、すべての機能が無料で利用できます。制限はありません。ロゴの表示やレベニューシェアのようなことは必要ありませんし、商用でも利用できます。

さらに自社でカスタマイズすることもできます。実際、DeNAさんなどはCocos2d-xをベースに独自のゲームエンジンを開発しています。

そしてコードはGitHub上で公開されていますので、誰でも開発に参加することができます。現時点で300人以上の方が参加していますが、日本人の方はまだ多くありません。

日本語の開発上は主にFacebookグループ Cocos2d-x(日本語)上で展開しています。

 

数字で見るCocos2d-x

Cocos2d-xは中国で開発がはじまったものになりますので、中国でのシェアはとても大きいです。中国では55%あります。日本では32%となっていて、アジアでは高いシェアを誇っています。

iOSのApp Storeの売り上げランキングトップ10において、5〜6つはCoco2d-xで作られたアプリとなっています。3Dに注目が集まっていますが、まだまだ2Dゲームは人気があります。

Android端末における互換性は大幅に改善されており、現在は99.37%になっています。ほぼすべての端末で利用できます。エンジンのサイズは–1.3Mマイナスとなっており、とても軽量になっています。表示速度においては+9FPSとパフォーマンスがどんどん改善しています。

3Dもいける!

Cocos2d-xは2Dと入っているので2Dしか無理と思われがちですが、最近では3Dにも対応してきています。以下はデモです。

https://www.youtube.com/watch?v=IACiFG3HK9c

3Dの機能はどんどん追加されており、もうすぐリリースされる3.7にて3Dゲーム開発に必要な機能はもろもろ用意される予定です。

Cocos Studioの紹介

Coco2d-xは今後、デザインエディタのCocos Studioなども取り込み、Cocosという名称で成長していくことになります。

https://www.youtube.com/watch?v=PlT8J0g8-jM

Cocos StudioはCocos2d-xアプリに対応したアニメーション/UIエディタとなっています。Windows/Mac OSX両方に対応しています。

Cocos Studioも3D開発に対応しており、次期バージョンでは空を描くSkyboxであったり、さらに物理エンジンの対応も行われていきます。Cocos Studioを作られたゲームとしてMagic Rushがあります。画面は以下の動画でご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=2Zn-yPmA0AI

 

Cocos2d-jsについて

元々Cocos2d-html5とCocos2d-x JavaScript Bindingを統合したもので、Cocos2d-xのC++ APIをJavaScriptにポーティングしたものです。

iOS/Android/Windows Phone 8/Mac/Windowsはもちろん、Chrome/Safari/IE/Firefoxなどのブラウザでも利用が可能です。

Facebookとも連携ができるので、iOS/Androidアプリはもちろん、さらにFacebookアプリとしてゲーム展開も可能です。

 

Cocos Code IDEの紹介

Cocos2d-xを難しいと感じる理由としては、環境構築の複雑さがあったかと思います。そこで使って見て欲しいのがCocos Code IDEです。Cocos2d-x Lua/JS用のIDEになります。Eclipseベースで作られており、シミュレータも入っているので開発しているコードをすぐに確認できるようになっています。ブレークポイントも差し込めます。

 

Any SDKの紹介

今Chukong Technologiesが開発しているのがAny SDKになります。これはサードパーティー製のSDKを導入するのに使うSDKになります。既に中国では展開しており、日本語版を開発中です。例えば広告のSDKのように種類が多い場合、それぞれ勉強して組み込む必要がありました。Any SDKはそういった差違を吸収し、GUI画面上で設定するだけで使えるようになります。

中国では2、300くらいのアプリマーケットが存在します。複数出そうと思うとかなり大変なのですが、それをAny SDKを使うことで一つのコードから複数のアプリマーケットに対して配信できるようになります。

質疑応答では以下のような質問があがっていました。

Q. Cocos Code IDEはJavaScriptでもブレークポイントがはれますか?

はい、できます。ベースがEclipseになっていますので、Eclipseでできることはそのまま実現可能です。

Q. Any SDKの日本語版で中国市場にアプリは出せますか?

いえ、中国向けに出す場合は中国版Any SDKを使ってください。ただ、中国語版を使うことで一つのコードから例えば50マーケット分、一気に出力することができるので運用が楽になるはずです。

Code IDEですが、C++への対応予定はありますか?

今のところありません。

Q. シェアはUnityのが高いのにアプリストアのランキングではCocos2d-xのが上位に多いのはなぜでしょう?

まだまだ2Dのが強いのだと思います。