アシアル社より、iOS向けのMonacaデバッガーアプリがストアよりなくなるとリリースされました。これは、あなたの開発体験に小さくない影響を与えると思います。本記事では、その影響と対策について解説します。
Androidには影響ありません
今回アプリストアからなくなるのはiOS向けになります。Android向けには影響はありませんので安心してください。
すでにMonacaデバッガーがインストールされている場合
すでにあなたのiPhone/iPadにMonacaデバッガーがインストールされている場合、それはそのまま利用できます。もしこれから利用する可能性があるならば、今のうちにインストールしておきましょう。
App StoreからMonacaデバッガーが削除された後は、インストールできなくなります。これは端末を買い替えた場合も該当します。
今後のMonacaアプリ開発方法について
ではアプリストアからMonacaデバッガーが削除された後、どのようにMonacaアプリ開発を進めればいいでしょうか。これはiOSアプリ開発者として登録しているかどうかによって変わります。
iOSアプリ開発者登録済みの場合
もしあなたがiOSアプリ開発者登録(有料)している場合、おすすめなのはカスタムデバッガービルドを行うことです。カスタムデバッガービルドは、Monacaデバッガーと同じUIでアプリ開発を進められます。カスタムデバッガービルドにはプロジェクトで指定したCordovaプラグインが有効化されており、編集したコードがリアルタイムに反映されます。
iOSアプリ開発者登録をしていない場合
iOSアプリ開発者登録をしていない場合、選択肢は2つあります。
クイックビューワーを使う
※ 画像はアシアル社の記事より
新しくリリースされたクイックビューワーを使ってアプリの動作を確認できます。これはQRコードを読み込んで、ブラウザで表示されるものです。
注意点として、クイックビューワーではCordovaプラグインが利用できないということです。また、devicereadyイベントは発火しません。
シミュレータービルドを使う
Monacaで提供されているシミュレータービルドは、iOSアプリ開発者登録不要で使えるビルド機能になります。できあがるのはAppファイルで、iOSシミュレーターにドラッグ&ドロップしてインストールできます。
※ 画像はアシアル社の記事より
なお、シミュレータービルドを使うためにはmacOSが必須、かつXcodeもインストールされている必要がありますので注意してください。
NCMBへの影響について
今後NCMBをMonacaアプリで利用するにあたって考えられる影響は2つあります。
JavaScript SDKについて
JavaScript SDKはJavaScriptだけで作られていますので、クイックビューワーで問題なく利用できます。JS/CSSプラグインの管理よりインストールを行ってください。
プッシュ通知プラグインについて
プッシュ通知プラグインはCordovaプラグインになりますので、クイックビューワーでは利用できません。これはWeb IDEのプレビューと同じ動作になります。
カスタムデバッガービルドでもプッシュ通知は期待した動作にはなりません。
シミュレータービルドではプッシュ通知のデバイストークン取得、およびプッシュ通知の受信はできません。
プッシュ通知を試す場合には、iOSアプリ開発者登録した上でデバッグビルドを行ってください。
まとめ
個人的なお勧めとしては、まずカスタムデバッガービルドを行うことでしょう。カスタムデバッガービルドされたアプリであれば、これまでのiOSアプリ開発体験と変わりません。また、Cordovaプラグインも必要なものを入れられます。
個人でちょっとMonacaを試してみるというのであればクイックビューワーでも良いでしょう。ただしCordovaプラグインが使えないこと、iPhone/iPad上でアプリとして試せる環境はありませんので、iOSアプリ開発者登録は必要になるでしょう。