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2022年10月:Appleのアプリストアレビューガイドラインが更新されました

2022年10月24日にAppleのアプリストアレビューガイドラインが更新されました。今回の一番大きな変更としては、アプリ内でのNFT販売が許可されたことでしょう。その他にも幾つかの変更がありましたので、解説します。

アプリストアレビューガイドラインは定期的に見直されるので、開発者としては要注意です。

NFT販売に関して

アプリストアレビューガイドラインには以下のように記述されています。

Appは、App内課金を利用して、非代替性トークン(NFT)およびNFTに関連するサービス(ミンティング、リスティング、譲渡など)を販売することができます。Appでは、NFTを所有することによってApp内のコンテンツや機能が解放されることがないことを条件として、ユーザーが自分のNFTを確認できるようにすることが可能です。App内課金以外の方法で、ユーザーを何らかの購入に誘導するボタン、外部リンク、その他の機能をAppに含めないことを条件として、他のユーザーが所有するNFTコレクションをブラウズすることをユーザーに許可することも可能です。

アプリ内課金を使ってNFTやNFTに関連するサービスの販売が許可されました。ただし、NFTを所有することでアプリ内のコンテンツや機能が解放されるのはNGとのことです。また、アプリ内課金以外の購入方法への誘導も不可とのことです。

なお、NFTにおいてはユーザー同士の売買も行われるのが前提です。その売買においても仮想通貨ではなく、アプリ内課金を使う場合のみコレクションの閲覧が許可されています。

Extension、App Clip、ウィジェット、通知、キーボード、watchOSアプリでの広告禁止

広告の表示は、メインのAppバイナリに限定されるべきであり、Extension、App Clip、ウィジェット、通知、キーボード、watchOS向けAppなどに含めることはできません

このように明記されたことで、メインアプリ以外での広告表示は不可となります。通知も含まれますので注意してください。

コンテンツ解放手段の限定

コンテンツや機能を解放するため、ライセンスキー、拡張現実マーカー、QRコード、暗号通貨、暗号通貨ウォレットなど、App独自の方法を用いることはできません。

これは、コンテンツや機能の解放時にアプリ内課金を利用できないということでしょう。ビジネス向けアプリではライセンスキーによって機能差を設けることがあると思いますが、そういった方法が不可となる可能性があります。

また、オフラインのイベントなどでQRコードを配布してキャラクター配布などもガイドラインに抵触するので注意が必要です。

広告管理アプリでのアプリ内課金除外

広告管理App:広告主(商品、サービス、イベントを広告する個人や企業)が、各種のメディア媒体(テレビ、屋外広告、Webサイト、Appなど)にわたる広告キャンペーンを購入および管理することを唯一の目的とするAppでは、App内課金を使用する必要はありません

アプリ内で広告を表示する場合には、アプリ内課金を利用しなければなりません。単に広告キャンペーンを購入したり、管理するためだけのアプリならばアプリ内課金の対象外となります。

暗号通貨の取引・送金の許可

Appが、暗号通貨の取引を行うための適切なライセンスと認可を取得している国や地域のみで提供されることを条件として

上のように書かれていますので、全地域で許可される訳ではありません。暗号通貨の取引が許可されている国・かつライセンスを許可している場合のみ暗号通貨の取引、送金が許可されます。

音楽プレビューの利用

iTunesとApple Musicの音楽プレビューを娯楽的な目的で(フォトコラージュのBGM、ゲームのサウンドトラックなど)、またはその他の承認されていない目的で使用することは許可されません

Apple Musicでは30秒程度のプレビューがありますが、その音源をアプリの中で使うのは禁止されています。承認されている目的で使う場合にも、リンクを明記する必要があります。

まとめ

全体的にNFTや暗号通貨に対する項目が増えているように見えます。アプリ内でも暗号通貨を扱えるようになったのは大きな変化ですが、アプリ内課金を経由しなければならないのは難点です。譲渡する際の処理時にApple税がかかると、暗号通貨のメリットが失われてしまいます。

後は通知での広告表示が明示的に禁止されていますので注意してください。自分たちのアプリに関するお知らせなどであれば問題ないと思われますが、ユーザーに対する他社宣伝を配信すると、アプリを削除されたりする可能性があるでしょう。

中津川 篤司

中津川 篤司

NCMBエヴァンジェリスト。プログラマ、エンジニアとしていくつかの企業で働き、28歳のときに独立。 2004年、まだ情報が少なかったオープンソースソフトの技術ブログ「MOONGIFT」を開設し、毎日情報を発信している。2013年に法人化、ビジネスとエンジニアを結ぶDXエージェンシー「DevRel」活動をスタート。