2022/10/04にリリースされた新機能「開封数集計データエクスポート機能」をご紹介しながら、意外と知られていない・活用しきれていない mobile backend のプッシュ通知活用術をご紹介します。
はじめに
2022/10/04に新機能「開封数集計データエクスポート機能」がリリースされました!
インフォメーション | ニフクラ mobile backend: 開封数集計データエクスポート機能のリリースについて
既に利用された方もいらっしゃるでしょうか。mobile backend のプッシュ通知を既に活用いただいている方は必見の機能です!
プッシュ通知でのアプリマーケティングには欠かせない機能ですので、ぜひこのブログで知っていただき、活用いただけると嬉しいです。
開封数集計データエクスポート機能とは
既存機能である開封率機能として備わっており管理画面から確認が可能な、プッシュ通知単位の合計開封数および端末種別(Android・iOS)毎の合計開封数をCSVファイルでエクスポートできる機能です。
月単位でエクスポートが可能で、該当月内で配信したすべてのプッシュ通知についての合計開封数を一覧で確認できます。
管理画面の使い方 : エクスポート機能 > 開封数集計データエクスポート機能
CSVファイルに記載される項目は以下です。
- pushId
- 該当プッシュ通知のobjectId
- deliveryTime
- 該当プッシュ通知の配信時刻
- title
- 該当プッシュ通知に設定したタイトル
- message
- 該当プッシュ通知に設定したメッセージ
- status
- 該当プッシュ通知の配信ステータス(数値)※REST API リファレンス : プッシュ通知取得>「プッシュ通知のステータスについて」参照
- deliveryNumber
- 該当プッシュ通知の総配信数
- totalOpenNumber
- 該当プッシュ通知の総開封登録数
- iosOpenNumber
- 該当プッシュ通知のiOS端末からの開封登録数
- androidOpenNumber
- 該当プッシュ通知のAndroid端末からの開封登録数
開封率機能
管理画面からグラフにて、時系列でのプッシュ通知の開封状況を確認できる機能です。また端末種別(Android・iOS)毎の合計開封数の確認が可能です。
複数端末へのプッシュ通知配信の場合、端末単位での開封有無の確認は不可となりますが、個通配信(単端末への配信)を行うことで端末単位での開封有無確認も可能です。
プッシュ通知 (Swift) : 開封率
※他言語のドキュメントはリンク先より言語タブを変更の上ご確認ください。
開封数集計データエクスポート機能で何ができる?
プッシュ通知を使ったアプリマーケティングがこれまでより柔軟により気軽に利用可能となります。ニフクラ mobile backend では「マーケティング機能」と謳ってこそいませんが、今回リリースした開封数集計データエクスポート機能を含め、mobile backend のプッシュ通知機能にはマーケティングに活用可能な機能を数多く備えています。
例えば以前から利用できるプッシュ通知のマーケティング機能としては、
- 予約配信・即時配信
- よりユーザーが閲覧しやすい時間帯に配信することで開封率を向上させることが可能です
- 個別配信・絞り込み(セグメント)配信・一斉配信
- 全件配信や単体での配信を行うだけでなく、端末情報にユーザー属性を付与することで、属性に応じ絞り込んだユーザーのみに配信することが可能です
- リッチプッシュ通知
- 配信時にURLを設定するだけで、プッシュ通知を開封時に指定したURLのWebページを表示できるため、キャンペーンページやクーポンページなどを表示させ訴求することが可能です
- ファイルストアのコンテンツ配信機能を活用すれば、mobile backend 上にWebページを用意して配信することも可能です
- カスタムペイロード
- 配信時にユーザー設定値(JSON)を設定することで、プッシュ通知開封時に設定したデータをアプリ側で受け取ることが可能です
- 例えば未来の時刻とメッセージを設定しておき、その情報に基づいてローカルプッシュ通知を発砲するなんてことも可能です
- 位置情報連動プッシュ通知
- 別途アプリ側の実装が必要ですが、所定の場所に近づいた時に連動してプッシュ通知を発砲することが可能です
などなど、書き出してみるとできることがたくさんあることがわかります。これに加え、新機能追加で以下のようなことも気軽に可能となります。
- ABテスト
- 配信先をAとBの2種類のグループに分け、配信時刻や配信内容が異なる内容でそれぞれプッシュ通知を発砲、開封数を確認してAとBどちらが有効か検証を行う手法です
- A,B2種類だけでなく複数グループ作って検証ももちろん可能です
ただし、機能として提供されているのは開封数データのエクスポートまでなので、CSV(Excel)での処理が少し必要になります。とは言え、それほど難しい作業ではありませんので、ぜひここで覚えていってください。
開封数データ活用法
~mobile backend プッシュ通知でABテストをする~
様々なA,Bのグループ分け手法がありますが、最も簡単な配信時間によるABテストを例にしてみます。同日で以下のように配信時間をずらし、同じ内容で配信を行う例です。
- Aグループ
- 15:00
- Bグループ
- 18:00
配信したら、該当のプッシュ通知IDを確認しておきます。配信が終了したら、開封数集計データエクスポート機能で該当プッシュ通知を含むCSVファイルをエクスポートして開きます。
管理画面の使い方 : エクスポート機能 > 開封数集計データエクスポート機能
もしCSVを開いたとき文字化けしたら...
- Windowsの場合、CSVを「メモ帳」で開き、「名前を付けて保存」時に「文字コード」を「ANSI」に変更して保存すると解消されます
- Macの場合、CSVを「テキストエディット」で開き、「保存」時に「標準テキストのエンコーディング」を「日本語(Shift JIS)」として保存すると解消されます
エクスポートしたらCSVファイルを開き、該当のプッシュ通知IDで絞り込みます。例として以下のように表示されます。(Aが NYWWhF15CRqOlxF7、Bが BJscHaXlqBzb7PWN の場合)
pushId | deliveryTime | title | message | status | deliveryNumber | totalOpenNumber | iosOpenNumber | androidOpenNumber |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
NYWWhF15CRqOlxF7 | 2022-10-04T15:00:33+09:00 | 明日、新商品が発売されます! | 新商品〇〇の販売が明日スタートします!商品詳細はアプリをチェック! | 2 | 29 | 15 | 7 | 8 |
BJscHaXlqBzb7PWN | 2022-10-04T18:00:43+09:00 | 明日、新商品が発売されます! | 新商品〇〇の販売が明日スタートします!商品詳細はアプリをチェック! | 2 | 32 | 21 | 9 | 12 |
効果測定の方法は至って簡単です。末尾に「開封率」列を用意して、totalOpenNumber を deliveryNumber で割る(÷)計算式を入力し、すべてのセルにコピーしたら、「開封率」列を選択して「ホーム」>数値「%」ボタンクリックすると開封率が出ます。例の場合は、
- Aグループ
- 51%
- Bグループ
- 65%
となるので、15:00の配信より18:00の配信の方がより開封されるプッシュ通知だったことがわかります。例では数十件程度でのテストを想定しましたが、テストの精度を上げたいなら、調査対象を増やして実施するなども有効です。
また、例のようにABの2件程度のテストであれば、実は既存機能で管理画面から開封率を確認するだけでも同じ分析は可能です。ですが実際は、A,B,C,D,・・・と細分化して複数の配信時間で比較検証を行う方がより効果的です。検証数が多くなれば多くなるほど、一括してCSV上で開封率データを扱うこと、すなわち「開封数集計データエクスポート機能」が有効だということがわかるかと思います。
おわりに
配信時間でのABテストの他には、プッシュ通知の配信内容(タイトルやメッセージ)を変えてのABテストやユーザー属性(セグメント)を変えてのABテストなどがあります。これらも同様に何パターンもテストをすることが有効です。ぜひ開封数集計データエクスポート機能を活用して、よりユーザーの興味を引くプッシュ通知を効果的に配信できるようにお役立てください!