Appleによる年次の開発者向けカンファレンスWWDC。2022年は6月6〜10日のスケジュールで開催されています。M2チップなどの話題もありますが、アプリ開発者として注目すべき発表も多数ありました。
この記事では特にキーノートの中から、WWDC 22の注目ポイントを紹介します。
- プッシュ通知の表示
- Web Push API
- Live Activities API
- Shared with You API
- Live Text API
- MapKit
- Matter
- Metal 3
- iPadOS 16
- まとめ
プッシュ通知の表示
ロック画面が刷新されるのに合わせて、プッシュ通知の表示が重なるような形に変更されます。最新のものが1件、その後ろに1件表示されるのみになっています。それ以上のプッシュ通知は隠されており、タップしてはじめて確認できるようです。
Web Push API
アプリとは違いますが、Webプッシュ通知については常に注目が集まっている機能です。なかなかiOSに登場しないことでやきもきされている方も多いかと思いますが、2023年にiOS/iPadOS向けに実現されることが発表されました。macOS向けには2022年に実現されるとのことです。
Live Activities API
スポーツの最新スコアなど、刻々と移り変わる情報を配信するのに使われるのがLive Activities APIです。従来プッシュ通知を何度も送っていましたが、今後はLive Activities APIを使うようになります。いわばアップデートできるプッシュ通知のような形です。
Shared with You API
アプリ内のコンテンツ(動画や写真、記事など)を友達と共有した際に、コンテンツを強調表示できる機能です。ユーザーが表示するまで待機するようです。動画などを共有する場合にはSharePlayが利用できます。このSharePlayはさらにメッセージアプリの中で使えるようになります。
Live Text API
写真だけでなく、動画からもテキスト情報を抽出できるLive Text APIが登場します。なお、Live Textは元々日本語に対応していませんので、日本語テキストというよりも、プログラミングコードなどで使える機能になりそうです。
MapKit
2022年後半に登場する新しいサーバーサイドAPIによって、地図とアプリ内の表示をシームレスに連携させる機能が実現できます。地図の3D表示なども強化されているので、MapKitの使い道が広がりそうです。
Matter
新しいスマートフォーム用機器の統一規格です。新しいスマートホーム機器を開発する際には、Matterに対応することで可用性が高くなるでしょう。
Metal 3
3Dゲーム開発に利用されるMetal 3ではシーンレンダリングを高速化するMetalFX Upscalingとリソースを高速に読み込むFast resource loading APIが提供されます。
iPadOS向けにはBackground download APIが追加されます。サイズの大きいアセットをバックグラウンドでダウンロードできます。
iPadOS 16
iPadOS 16は機能的にはよりmacOSに近づきます。チップはM1なので、性能としても十分でしょう。Desktop-class apps APIsが追加され、ツールバーのカスタマイズやインライン検索などの機能が実現できます。アプリのウィンドウを重ねて表示できるようにもなります。iPadから外部ディスプレイも利用可能になります。
開発キットとしてはWeatherKitが登場し、アプリの中に天気機能が組み込めます。また、共同作業(Collaboration)用のAPIも追加され、アプリ内のデータを他のユーザーと共同編集できる機能を追加できます。
まとめ
WWDC 22は新しいハードウェアの発表もあり、例年以上に発表内容が多かったように思います。特にiPadOSに対する機能追加は数多く、よりmacOSに似た機能を実現し始めています。Swift Playgroundもあり、iPadでiOS向けのアプリ開発も十分可能になってきそうです。
WWDCでは他にも多数のセッションがあります。ぜひ今後のアプリ界隈の動向を見る上でも、チェックしてください。