XamarinはC#を使ったクロスプラットフォームなスマートフォンアプリ開発環境です。最近、コロナウイルス追跡アプリを作ったフレームワークとして注目されるようになりました。
NCMBではC#を使った開発環境としてUnityに対応していますが、あれはiOS/Android SDKをラッピングしているので、Xamarinでそのまま利用できません。C#のみで実装する必要があります。
ここでは現在開発中のXamarin用SDK(非公式)の使い方を紹介します。今回はデータストアの検索についてです。
注意点
XamarinではNuGetを使ったライブラリ管理が行えます。しかし、試してみた限りではライブラリの依存関係が解決できず、開発できませんでした。現在はiOSプロジェクトでXamarinを作っている中に組み込む形での提供になります。
ダウンロード
NCMBMania/ncmb_xamarin: Xamarin SDK for NCMBのコードをダウンロードします。Xamarinプロジェクトにて、例えばNCMBといったフォルダを作成して、その中にファイルを放り込みます。
なお、ネームスペースが ncmb_xamarin になっていますので、適宜修正してください。また、依存ライブラリとして Json.NET(Newtonsoft.Json)を追加してください。
初期化
まず最初にSDKを初期化します。
var ncmb = new NCMB("ea5...265", "fe3...615");
検索用のクエリクラスの作成
検索はクエリクラスを使います。呼び出しは次のように、検索対象のクラス名を指定して実行します。
var query = ncmb.Query("Hello");
検索条件の指定
検索条件は他のSDKと同等の名前を指定しています。メソッドチェーンで指定可能です。
query .equalTo("message", "Test message") .equalTo("number", 500);
検索の実行
検索は find メソッドで実行します。レスポンスは NCMBObject の配列です。
var results = query.find(); Console.WriteLine(results[0].get("objectId"));
検索のオペランドについて
検索に使えるメソッドは次のようになっています。
- equalTo(string name, object value)
- notEqualTo(string name, object value)
- lessThan(string name, object value)
- lessThanOrEqualTo(string name, object value)
- greaterThan(string name, object value)
- greaterThanOrEqualTo(string name, object value)
- inString(string name, object value)
- notInString(string name, object value)
- exists(string name, bool value = true)
- regularExpressionTo(string name, object value)
- inArray(string name, object value)
- notInArray(string name, object value)
- allInArray(string name, object value)
これらを使うことで、例えば次のような条件指定が可能です。
// 配列を検索 var query = ncmb.Query("Hello"); query.inString("message", new JArray("Test message")); var results2 = query.find(); // 数値を使った検索 var query2 = ncmb.Query("Hello"); query2.greaterThan("number", 500); var results3 = query2.find(); // 日付を使った検索 var query3 = ncmb.Query("Hello"); query3.greaterThan("time", DateTime.Parse("2020-07-10T08:40:00")); var results4 = query3.find();
コードについて
コードはNCMBMania/ncmb_xamarin: Xamarin SDK for NCMBにアップロードしています。ライセンスはMIT Licenseになります。
まとめ
データストアはさらに深く検索条件を指定できますが、現時点のSDKではこれがすべてです(位置情報用のクラスなどを作れば、さらに条件を広げられます)。Xamarinは個人というよりも法人での利用が多いプラットフォームになるかと思います。企業内、クライアント案件などでニフクラ mobile backendを使う際にはぜひXamarin SDKをお試しください。