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スマートフォンで使える決済方法について

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○○Payという単語が多数飛び交うようになって、アプリの中での決済手段が多彩になっています。実際、あまりにも多くて何が使えるのか、どれが有効なのか分からないという方も多いのではないでしょうか。

そこで、スマートフォンの中で使える決済手段をカテゴリ別に紹介します。

クレジットカード

まずはベーシックなクレジットカード決済です。Amazonや楽天のように独自の決済機能を提供するものもあれば、Stripeのような決済ASPを使う場合もあります。トランザクション数によりますが、2.2〜3.5%程度の決済手数料がかかります。

決済ASPを用いない場合、自分で各ブランド(マスターやJCBなど)と契約しなければなりません。ただし最近ではPCI DSSというセキュリティに関する国際基準を準拠することが求められおり、自社独自の決済システムを構築するメリットは薄れています。ASPを利用する方が手軽、かつセキュアに運用できるでしょう。

アプリの中で用いる場合、iOSでは物販や特定分野でしか使えません。

QRコード決済

最近伸びているのがQRコード決済です。クレジットカード会社を通すと手数料が高いため、自社内にお金をプールし、ユーザ間で送金できるようにしたり、プールした金額の中で決済を行えるようにします。

購入する金額によって異なるQRコードが表示されるタイプと、常に固定のQRコードを読み込んで決済する金額を入力するものとかがあります。固定の方が手軽にはじめられますが、都度購入完了画面を店舗側に見せないといけません。

主にリアル店舗での物販に用いられることが多く、インターネット上で見かけることは殆どありません。

Apple Pay/Google Pay

iOSやAndroidに搭載されているカード保存機能によって実現している決済手段です。Webサイトやアプリ内課金、リアル店舗と幅広く利用できます。開発者にもインタフェースが公開されており、アプリ内課金やWebサイトの決済に利用できます。

カード情報がそのままスマートフォンに残っている訳ではなく、繰り返し使える認証コードが保存されています。AppleはSafari、AndroidはGoogle Chromeとの親和性も高く、シームレスに利用できます。

電子マネー

SuicaやiDなどのNFCを用いた電子マネーはApple PayやGoogle Payの中で利用できます。電子マネーはチャージ式であり、クレジットカードのように紛失や盗難によって被害を受けた場合には金額はチャージしていた額以上にはなりません。その点が安全性が高い仕組みと言えるでしょう。

アプリの中で決済に用いることはできませんが、iOS13以降のiOSデバイス、AndroidではNFCを用いてSuicaや免許証のデータが読み取れるようになっています。今後、その利用範囲が広がっていくことでしょう。

Square

リアル店舗での決済に利用できるSquareリーダーを提供しています。購入者はユーザ登録不要で、クレジットカードを用いた決済が可能です。QRコードもリアル店舗での決済を増やしたいと考えているようですが、ユーザ登録が必要なことやチャージが必須なために面倒な印象があります。Squareはすでに持っているクレジットカードが使えるのが魅力でしょう。

Squareは決済だけを提供するので電子マネーや電子ウォレットのような仕組みはありません。決済機能はSDKとしてアプリ内に組み込み可能です。

電子ウォレット

PayPalのようなサービスは電子ウォレットを提供しています。メルペイのように自社サービス内に蓄積されているお金を実際に決済に利用できる仕組みです。この場合、現金化せずに利用できるので、サービス提供側としてはデータベースの値を書き換えるだけで済みます(手数料がかかりません)。PayPalも同様です。

C2Cのように販売側と購入側が混在する(販売側が購入側になることがあったり、その逆もある)場合、電子ウォレットによる決済代行が有効です。

まとめ

アプリにおいては現金決済が使えない以上、他の決済手段を検討しなければなりません。OS自体が提供するものを使うのが最も安全(突然締め出される可能性がない)ですが、手数料が高い(30%、継続の場合2年目から15%)のが問題視されています。そのためQRコード決済や回避手段が用いられています。NetflixやSpotify、Amazon Kindleなどはアプリ内課金を提供していません。

決済手段は多様ですが、それぞれに特徴や制限があります。皆さんのアプリに合わせて最適なものを選択してください。

中津川 篤司

中津川 篤司

NCMBエヴァンジェリスト。プログラマ、エンジニアとしていくつかの企業で働き、28歳のときに独立。 2004年、まだ情報が少なかったオープンソースソフトの技術ブログ「MOONGIFT」を開設し、毎日情報を発信している。2013年に法人化、ビジネスとエンジニアを結ぶDXエージェンシー「DevRel」活動をスタート。