AndroidではJavaの他、Kotlinも公式言語としてサポートされています。KotlinはJVM上で動作する静的な型付け言語で、言語体系がSwiftに似ています。そのため、Swiftに慣れた開発者であればすぐに習得できるかと思います(似ているので逆に戸惑う部分もあるのですが)。
今回はAndroid Studio 3系を使い、KotlinでNCMBを利用する方法を解説します。今回はデータストアのオブジェクト同士を連携させる技術の一つ、リレーションの使い方を紹介します。
Android Studioでプロジェクトを作成する
Android Studio 3系からKotlinプラグインをインストールせずにKotlinプロジェクトを作成できるようになりました。まずは新しいプロジェクトを作成します。
新しいプロジェクトを作成する際にInclude Kotlin Supportをチェックします。これでKotlinベースのコードが生成されます。
他はデフォルトのままです。Phone and Tabletを対象にし、 APIはある程度新しいもの(今回は23)を選択します。
さらにベースは何もなし、Empty Activityを選択します。
Activity NameはMainActivity、Layout Nameはactivity_mainというのもデフォルトのままです。
NCMBを追加する
プロジェクトが作成されたらファイルツリーを右クリックして、Open Module Settingsを選択します。
開いたウィンドウで、上にあるプラスアイコンをクリックします。
そしてImport .JAR/.AAR Packageを選択します。
次のダイアログでNCMB.jarを選択します。NCMB.jarはこちらからダウンロードし、解凍します。
追加すると、左側のメニューでappの下にNCMBが追加されます。ついでDependenciesをクリックします。
下にあるプラスアイコンをクリックし、Module dependencyを選択します。
モジュールの選択でNCMBを選びます。
一覧にNCMBが追加されたら完了です。
セキュリティ設定を変更する
AndroidManifest.xml
を開いて設定を追加します。これはインターネット接続を用いる設定です。
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?> <manifest xmlns:android="http://schemas.android.com/apk/res/android" package="jp.moongift.ncmbupdatedatastore"> <!-- 以下の uses-permission を追加 --> <uses-permission android:name="android.permission.INTERNET" /> <application : /> </manifest>
これで準備完了です。
SDKをインポートする
まずNCMBを利用する画面のKotlinファイルを開きます。今回は MainActivity.kt
を編集します。今回は基礎になる NCMB クラスと、データストアで用いる NCMBObject クラスを読み込んでいます。
import com.nifcloud.mbaas.core.NCMB import com.nifcloud.mbaas.core.NCMBObject
そして override fun onCreate
の内容を編集します。 APPLICATION_KEY
、CLIENT_KEY
はそれぞれのキーに書き換えてください。
override fun onCreate(savedInstanceState: Bundle?) { super.onCreate(savedInstanceState) setContentView(R.layout.activity_main) // 初期化 NCMB.initialize(applicationContext, "APPLICATION_KEY", "CLIENT_KEY")
今回はコルーチンを使い、async/awaitでデータを追加してみます。
var user = NCMBUser.getCurrentUser() var obj1 = NCMBObject("Setting") obj1.put("Key", "Setting Value1") async(Dispatchers.Default) { obj1.save() }.await() Log.d("[DEBUG]", "Saved 1.") delay(3000) var obj2 = NCMBObject("Setting") obj2.put("Key", "Setting Value2") async(Dispatchers.Default) { obj2.save() }.await() Log.d("[DEBUG]", "Saved 2.") delay(3000) var obj3 = NCMBObject("Setting") obj3.put("Key", "Setting Value3") async(Dispatchers.Default) { obj3.save() }.await()
そして、これらのデータをリレーションで連結します。
var relation = NCMBRelation.addRelation(arrayListOf(obj1, obj2, obj3))
そのリレーションオブジェクトを連携するオブジェクトにセットします。
user.put("list", relation) async(Dispatchers.Default) { user.save() }.await()
これでリレーションとしてのデータ保存が完了します。
データの取得
では次にデータの取得です。これは取得したいクラス(今回はSetting)のクエリを作成します。
var user = NCMBUser.getCurrentUser() var query = NCMBQuery<NCMBObject>("Setting")
そして、whereRelatedToを使ってリレーションを設定しているオブジェクトを指定します。
query.whereRelatedTo(user, "list")
後は find オブジェクトでデータを取得するだけです。
try { var settings = async(Dispatchers.Default) { query.find() }.await() Log.d("[DEBUG]", settings[0].getString("Key")) } catch (e: NCMBException) { }
まとめ
リレーションを保存する処理はさほど問題ないかと思いますが、取得する際には注意が必要です。取得されるクラスのクエリを使いつつ、リレーションデータで絞り込むという形になりますのでご注意ください。