こんにちは、ニフクラ mobile backend エヴァンジェリストの一條です。
ゲームアプリ開発者にニフティクラウド mobile backend(以下、NCMB)の利用事例をお伺いするこのコーナー。 今回は『マリオネットAI』の作者、"つね"こと嶋津恒彦(@simanezumi1989)さんにお話を伺いました。
- はじめにゲーム概要、特徴をご紹介いただければと思います。
- ニフティクラウド mobile backendをお選びいただいた理由はなんでしょうか?
- 初めてNCMBを導入した際に分かりにくいところ、詰まったところはありましたか?
- NCMBの「データストア」機能はどのようにご利用いただいていますか?
- 現在は使っていない機能で、今後使いたいNCMBの機能はありますか?
- NCMBへの機能要望などはありますか?
- 本作はSteamでもリリースされています。海外からのアクセスについてはいかがですか?
- アプリについて、今後のアップデート予告やイベント出展などありましたらお教えください。
はじめにゲーム概要、特徴をご紹介いただければと思います。
チェスのように駒を動かし対戦するゲームです。最大の特徴はキャラクタの操作が事前のAI構築(プログラム)で決まるところです。 対戦では世界中のユーザーデータといつでも戦えます。また、毎週トーナメント戦を行ったり、毎月実況付きの大会を実施しています。
開発環境はUnityです。他にはheroku schedulerも使っています(参考リンク:http://mbaas.hatenablog.com/entry/8064)。 対応プラットフォームはAndroid, PC(Steam)です。iOS版も公開していますが、こちらは対戦機能がありません。
ニフティクラウド mobile backendをお選びいただいた理由はなんでしょうか?
日本語のドキュメントが充実していたことが決め手でした。ユーザーコミュニティ(https://github.com/NIFTYCloud-mbaas/UserCommunity)も日本語ベースで情報があり、ゲーム開発の未経験者が個人で開発するには大きな利点だと思っています。
初めてNCMBを導入した際に分かりにくいところ、詰まったところはありましたか?
これはNCMBに限らないことだとは思いますが、非同期処理まわりの設計に少し苦労しました。 たとえばデータが取得できなかった場合の処理など、ネットワーク機能のよくあるトラブル処理にうまく対処することに時間がかかりました。
NCMBの「データストア」機能はどのようにご利用いただいていますか?
ユーザーが構築したキャラクターAIをJson形式で保存し、対戦するときに取得しています。 キャラクターAIはユーザーの分身のようなものなので、他のユーザーは好きな時に好きなだけ対戦できます。 また、heroku schedulerを使って指定時間に回収したデータを別のクラスに保存することで、その時間に回収したデータのみでトーナメント戦や総当たり戦を行っています。
現在は使っていない機能で、今後使いたいNCMBの機能はありますか?
sns連携機能です。SNSアカウントで簡単にログインできるようになるのは魅力的です。
(例:Twitterアカウントでのユーザーログイン:http://mb.cloud.nifty.com/doc/current/sns/twitter_unity.html)
NCMBへの機能要望などはありますか?
できれば、公式サイトにある実装例のブログと、ドキュメント内容の連携をしてほしいと思います。 今のところ、NCMBブログ等でsns連携の実装解説をしているようですが、基本はドキュメントを見ますので、そういった新しい機能を見落としてしまうことが多いからです。 あとは、Unity SDK の Windows Store (UDP)形式への対応です。Steamよりも手軽に出せるWindows Storeは魅力的だと思っています。
(一條補足:現在のところNCMB Unity SDKはiOS, Android, Windows, OSX出力に対応しています。現在はWebGL対応が進行中です。)
本作はSteamでもリリースされています。海外からのアクセスについてはいかがですか?
まだ海外ユーザーは少ないですが、通信に関してのトラブルはとくに無く、快適に遊べているというコメントは頂いています。
アプリについて、今後のアップデート予告やイベント出展などありましたらお教えください。
10月1日にアップデートしたばかりなので、現在は操作性の改善を行なっています。この処理が終わればSteamをアーリーアクセスから正式版にリリースする予定です。セールはしないので、今が一番安いです。
イベント関係では10月7日に大阪で「同人ゲーム.fes9」、11月12日に東京で「デジゲー博 2017」に出展します。 また、マリオネットAIの第10回大会を10月28日に行います。実況も行なっているので楽しんで頂ければと思います。
そして、「マリオネットAI」の構築AIを開発するプロジエクトである「Project パペッティア」をgithubで公開しています。 興味のある方はぜひ見ていただければと思います。
最後に、マリオネットAIでは大会で賞金やグッズを提供していただけるスポンサーを募集しています。 マリオネットAIのユーザーはゲーム開発に興味のある人が多いので、そちらの分野からのスポンサーを公式サイトでおまちしております。
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インタビューは以上になります。 『マリオネットAI』はプレイヤーが独自の戦い方を設計し、それをデータストアに保存することで他プレイヤーとの対戦を実現したユニークなゲームです。 システムはユニークですが、じつはこうした「リアルタイムでない」対戦の仕組みは多くのスマートフォンゲームに導入されています。 そう、ソーシャルゲームでよくあるデッキ型の対戦機能です。 NCMBの「データストア」を活用することで、こうしたユーザー間の対戦を簡単に実現することができます。
このインタビューを呼んでいただいたアプリクリエイターのみなさま、ぜひNCMBのデータストア機能を使ってみてくださいね。