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Parse.com 終了に伴うmBaaS業界の変化

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先日、1月末に予告通りParse.comがサービスを終了しました。これまでParse.comを使ってきた方々で私たちのニフティクラウド mobile backendに移ったという方もいますし、他のmBaaSに乗り換えた方々もいます。影響は決して軽微ではありませんでした。

そんなParse.comの終了が今後のmBaaSにどういった影響を及ぼし得るか考えてみたいと思います。

サービスの信頼性が肝に

Parse.comはシステムをオープンソースでも提供しているため、それをホスティングするサービスが乱立しました。しかしParse.com本体がビジネスとして難しいためにサービスを諦めたというのに二番煎じでうまくいくとは考えられません。そのサービスまで終了したら(実際、ローンチしたもののすでにクロージングしているものもあります)目も当てられません。

mBaaSにおいてサービスの載せ替えは非常に大きな手間です。特に既存ユーザにアップデートを促すのが大変です。ユーザによっては大型アップデートを嫌がり、古いバージョンのまま使いたがる人たちもいます。そうしていつまでも古いバージョンが残り続けてしまうのです。

今後、サービスの信頼性はとても重要になってきます。突然終了する可能性を感じるサービスを使い続けるのはとても危険なことです。mBaaSはSaaS系のサービスにおいてベンダーまたはドメインロックインの強いサービスになります。くれぐれも信頼できるところを選んでください。

サービスの停止、統合が進む

例えばGoogleの提供するFirebaseにしても、元々は別な企業のサービスを買収したものです。また、日本でもGMO mBaaSが終了しています。元々GMO mBaaSについてはBackendlessというサービスのOEMだったこともあり、恐らく影響は軽微と予想されます。しかしFirebaseについては元々のリアルタイムデータベースだけでなく機能の統廃合が進んでいますので、初期の頃のまま使い続けるのは難しいでしょう。

mBaaSは一定の需要がある一方で、単純に機能が豊富であれば良いという訳ではありません。価格の安さを謳うサービスもありますが、そういったサービスは突然閉鎖するリスクも含んでます。今後、継続できなくなったサービスの買収など、統廃合が進んでいくと思われます。

オープンデータ、データポータビリティが重要に

統廃合が進んでいく中で求められるのがポータビリティになるでしょう。データのエクスポートであったり、それをインポートする仕組みがあると開発者にとって大きなメリットになります。Parse.comのようにオープンソース版を提供するという手法もありえるでしょう。

mBaaSはドメインロックの大きいサービスです。そのため、独自ドメインのサポートであったり、各社のWeb APIの統一規格を作っていくような動きも出てくるかも知れません。

水平展開が進む

Firebaseなどが特にそうですが、単純にmBaaSを提供するだけでなくアクセス解析やクラッシュレポートなど多数の機能を取り込んでいく傾向が強まっています。そうした機能の拡充は開発者にとってメリットがある場合もありますが、専門サービスに比べると若干機能が弱く、使われないケースも多々あります。そうした機能の多くは無料で提供されますので、そういった点においても機能追加が行われるのか読めない部分があります。

もう一つの手段としてはパートナーと提携していくパターンです。シームレスに連携できていれば、開発者にとってはストレスなく使える仕組みになるでしょう。ただし、有料サービスを幾つも使うとなると躊躇してしまうケースもありそうです。

さいごに

Parse.comのサイトはすでになくなってしまっています。mBaaSという市場を築いてきたサービスだけに寂しい気もしますが、当初のmBaaSで求められていたものから現在では大幅に状況は変わっています。アプリの高速開発はますます求められるようになっていますので、今後mBaaSの需要は高まっていくのではないでしょうか。