2016年はVR元年と言われていましたが、アプリを作成するとなるとまだまだ敷居が高いのが現状です。しかしそんな中でも各種SDK/フレームワークが登場しており、それらを使うことで開発の敷居を下げられるようになります。
今回はネイティブ型とWebVR型に分けて紹介します。
ネイティブ型
Google VR | Google Developers
Googleが開発しているVR用SDKで、同じく彼らの開発するDaydreamやCardboardといったHMD(ヘッドマウントディスプレイ)に対応しています。どちらもスマートフォンを使うタイプなので、HMD自体は安価となっています。
どちらもAndroid端末を対象としたHMDですが、SDK自体はiOSやUnreal Engine 4もサポートされています。
Developer Center | Oculus
Oculusではスマートフォンが不要なHMDであるOculus Riftと、スマートフォン(Galaxy)を使ったGear VRを提供しています。Oculus RiftはWindowsがメインプラットフォームで、Gear VRはAndroidが対象となっています。
なお、もう一つの環境としてWebもありますが、これは後述するReact VRになります。
ARM’s Mali Android VR SDK (Software Development Kit) – OpenGl ES
ARMが開発しているVR SDKがMaliというVR SDKになります。特徴としてはGPUとARMを対象としている点になります。対象デバイスはAndroidで、SDK自体はWindowsまたはLinux向けに提供しています。
Web型
Web型はHTML5前提ですが、ChromeやSafariなども標準ブラウザでもVRが利用できるのが利点です。
A-Frame – Make WebVR
Mozillaが開発しているWebVRフレームワークで、独自のタグを記述するだけでVRコンテンツとして展開されます。球体や円錐と言ったオブジェクトを描けるので3Dモデルを用意せずにVRコンテンツを作り始められるのが魅力です。
Primrose VR: WebVR Application Framework
WebVRのプロトタイプを素早く作れるのを目標にしているフレームワークです。HTML側への記述量はごく少なく、基本的にすべてJavaScriptで実装していきます。そのためクリックやキーボード入力などとの連携もしやすくなっています。
Introducing the React VR Pre-Release | Oculus
Oculusが発表したWebVRフレームワークがReact VRです。Facebookが開発しているReactを使ってVRコンテンツが作成できます。コンポーネントがうまく作れれば再利用性の高い仕組みで作れたり、Reactの特徴でもあるビュー側を気にしない仕組みで開発できるようになります。
VRアプリを楽しむためにはHMDが必要で、敷居が高くなっています。その代わり、強い没入感を持ったアプリが開発できるようになります。最近ではスマートフォンを使ったHMDも増えていますので、手に入れやすくなっているでしょう。
開発においてもフレームワークやSDKを使うことで敷居が下がってきています。ぜひVRアプリ開発にチャレンジしてみてください。