FJCT_ニフクラ mobile backend(mBaaS)お役立ちブログ

スマホアプリ開発にニフクラ mobile backend(mBaaS)。アプリ開発に役立つ情報をおとどけ!

O2Oマーケティングセミナーが開催されました

7月8日(金)、ニフティセミナールームにてO2Oマーケティングセミナーが開催されました。簡単に紹介します。

ニフティにおけるアプリ開発戦略 ~「学区検索」でのmBaaS活用について~ by ニフティ株式会社 岡田 泰輔

ニフティ不動産アプリの担当者。ニフティ不動産アプリではスーモ、@HOMEなどを検索できます。そしてある日、新しいiOSアプリを企画、開発するように言われた結果生まれたのが学区検索になります。

学区検索は小学校や中学校を調べられるアプリなのですが、有名な小学校や受験に有利な学区に引っ越したいというニーズがあるそうです。そんなアプリを2ヶ月間で開発したというのが今回の発表になります。

アプリの企画をまとめた結果、設計に1週間かかり、開発は5週間しか残されていませんでした。そしてシステム設計した結果、API(サーバ周り)の開発に12週、運用コストも月額14.5万円くらいかかりそうという算段になりました。収益の見込みもない中、これは現実的ではありませんでした。

そこで同じニフティで開発されているmBaaSを使うことに決めたそうです。必要な機能はほぼ揃っており、位置情報検索もできます。mBaaSはさらに無料から使い始められるので、安心して使い始められたとのことです・

O2Oに効く!ハイブリッドアプリ開発最前線 by 株式会社ニューフォリア 畠田 喜丈 様

現在、メーリングリストの開封率が下がっています。あるレポートによれば10%程度と言われています。対してスマートフォンは多くの人たちに普及しており、アプリをインストールするのも苦ではなくなっています。一人当たり約22個のアプリをインストールしていると言われています。

これでようやくO2Oの土壌が整ってきたと言えます。最近Google I/Oで発表されたInstant Appの登場もこの動きを後押ししてくれるでしょう。Webアプリも高機能化していますが、大きな違いとしてはバックグラウンド時の動作と言えます。フォアグラウンドにある時はWebアプリもネイティブアプリもさほど変わらないのが現状です。バックグラウンドで動作する利点としては、利用者に「思い出させられる」「起動の手間を防ぐ」ことができる点にあるのではないでしょうか。そして、その時の肝になるのが「トリガー」と「プッシュ」になります。

トリガーとしては位置情報が挙げられます。例えば以下があります。

GPS : 屋内、地下が弱点

WiFi : SSID、BSSIDを利用する。常時WiFiをオンにしていない可能性があります。

ビーコン : 電池が非常に持つ。偽装問題、端末でのBTをオンにしていないケースがあります

非可聴音 : 18KHz範囲の音を出す。人には聞こえないが、スマートフォンでは拾えます。アプリがフォアグラウンドじゃないと使えません。

NFC : NFCカードを利用。対応端末のシェアが弱点。iOS,海外のAndroidではサポートされていないことがあります。

なお各技術ともに誤差が出たり、得手不得手があります。複数のトリガーで管理すると良いのではないでしょうか。

ここから幾つの事例を紹介してくれました。

カウントダウンクーポン

ビーコンなどをトリガーとしてスマートフォンにクーポンが届きます。ポイントはカウントダウン方式で割引率が下がっていくことです。それによって、すぐにでも来店しなければというモチベーションにつながります。

トライアルで行った際には集客しすぎて店舗のフローが回らずに中止したそうです。

スタンプデバイス

スマートフォンにスタンプを押すデバイスを使います。非日常的なUXを提供するということで人気があります。ファミマカフェスタンプキャンペーンに使われており、もうそろそろ全国展開するのではないかとのこと。

なお、これらのO2O施策をAndroid/iOS両方に展開するのは大変です。各種SDKも提供されていますが、使いこなすのも大変ですし、機種依存の問題もあります。そこで注目したいのがアプリカンになります。

アプリカンはHTML5を使ってスマートフォンアプリを開発します。ベースアプリと呼ばれる部分はニューフォリア社が提供し、利用者はHTML5/JavaScript/CSSだけを使います。機種依存などの問題もベースアプリが吸収してくれます。

最近の事例としては以下のようなものがあります。

  • しながわ水族館
  • いきなりステーキ
  • シェーキーズ
  • 一蘭

アプリカンの特徴として、コンテンツをアプリ起動時に更新できることが挙げられます。これを使うとストア申請せずにアプリの内容を変えられるようになります。NCMBのプッシュ通知も2016 2Qにて対応予定とのことです。

アプリカンは無料で使い始められます。なお、デフォルトでは広告バナーが表示されますので、取り除くにはアドバンスドプラン(10万円/アプリ)に入る必要があります。

位置情報サービスの総合プラットホーム「39Geopla」が実現する世界 by インターメディアプランニング株式会社 殿岡 良美 様

39Geoplaはdocomoと共同で開発しているサービスです。コアはdocomoが開発し、インターメディアプランニングが販売しています。39Geoplaはジオフェンシングプラットフォームと呼ばれるサービスです。ジオフェンスとは空間上に設定した仮想的な領域を言います。GPSやWiFi、ビーコンなどを使い、利用者がどこにいてサービスを受けるのかを管理できます。39Geoplaを使うことで一元的なジオフェンシングサービスが可能になります。

GPS、WiFi、iBeaconが自由に使えて、エリアに入った/出たといった情報のロギングが可能です。その結果、屋内/屋外/地下と場所を問わずにチェックインを検知できます。15万ヶ所のdocomo WiFi、全国主要駅のGPS情報が提供されていますので、設備投資なしでサービスが展開できるようになります。

分析機能も充実しており、ログ、ヒートマップ、集計、同線可視化などが利用可能です。アプリ内に組み込まれたSDKとプラットフォームサーバでチェックイン、アウトを判定し、その情報をアプリに通知できます。APIもあり、自社システムと連携させられます。

チャートで移動傾向、全体の同線、滞在ヒートマップなどをビジュアル化することも可能です。

技術によってスマートフォンでのサポート率やオン率が異なったり、適用範囲も異なります。これらを意識せずに一元的に使えるのが39Geoplaの特徴と言えます。

ここから幾つかの事例が紹介されました。

JCBお得クーポングアム

グアムのJCB加盟店(200店舗)にいくと優待クーピンや最新のイベント情報が得られます。無料WiFiが使えることもあってそれを目当てに来店される方が多いそうです。

駅すぱあと

位置情報連動広告として導入されました。

三浦に行くならみんゴで遊ぼう キャンペーン

三浦半島を舞台にしたオンラインゲームイベントです。

コレビー

位置情報はもちろん、さらに男性、女性などの属性に応じてコンテンツを配信するサービスです。

銀座アンテナショップスタンプラリー

銀座のアンテナショップを巡るスタンプラリーですが、さらに銀座の動線分析ができるようになっています。8月中にも行っていくとのことです。

ニフティクラウド mobile backendのプッシュ通知が握るO2Oマーケティング成功の鍵 by 中津川

最後に私の方からニフティクラウド mobile backendを組み合わせたO2Oマーケティングの方法について紹介しました。

ニフティクラウド mobile backendでは位置情報検索がサポートされています。二つの検索方法があり、一つは中心と半径を使った円形の絞り込み、もう一つは二点を使った長方形の囲い込みです。詳しくはmBaaSにおける位置情報の絞り込みについて | BACKEND AS A SERVICE mbaas BLOGをご覧ください。

しかしプッシュ通知を作成する場合、絞り込みに使える位置情報は基本的に一つです。「今」いる場所に基づいてプッシュ通知を出すのは困難です。そこで使ってみたいのがSilent Remote Notificationになります。プッシュ通知を送信し、スマートフォン側で現在の位置情報と見比べて通知を出す仕組みになります。これは京王アプリで使われている方法です。

プッシュ通知はアプリのアクティビティを高めるのに最適な手法ですが、幾つかの問題があります。「通知の許可を取るのが難しい」「送る頻度」「アクションの計測」です。通知の許可はiOSで問題になります。回避策として、自然な動線の中で通知の許可を求めること、本当のダイアログを出す前に通知の説明をするモーダルを表示するといった方法があります。

送る頻度ですが、これはアプリの特性によって異なります。まずユーザメリットを重視する必要があります。ソーシャル系であれば頻度は多くても許されますが、ニュース系アプリでは控えめにする必要があります。また、オークションや株取引のような金銭に絡むもの、電車の遅延など生活に密着するものはリアルタイムでの通知が求められます。

アクションの測定についてはプッシュ通知の開封率やアプリケーションのアクティブ率などの変化を解析する必要があります。ニフティクラウド mobile backendの場合、アプリ全体と個別のプッシュ通知に関する開封率が測定できるようになっています。

O2Oに関連したプッシュ通知の使い方としては「生活密着型」「店舗固定型」「イベント連動型」に分けて考えることができます。詳しくはO2Oアプリにおけるプッシュ通知の頻度の考え方 | BACKEND AS A SERVICE mbaas BLOGをご覧ください。

位置情報はセグメントを分ける手法としてはとても強力なものになります。10万ユーザにダウンロードされていたとしても、位置情報で絞り込むと100人も対象にいない可能性があります。かといって対象を広げると効果も薄れてしまいます。送る頻度と合わせて送信対象を上手に絞り込んだ上でO2Oマーケティングに活用してください。


ニフティクラウド mobile backendでは今後も定期的にセミナーを開催していきます。興味のあるジャンルがありましたらぜひご参加ください!