Parse.comが突如として終了のアナウンスをしました。猶予期間は1年あるものの、選定や開発、テスト期間を考えるとすぐに対応を考えなければならないでしょう。
そこで今回はこれまでParse.comを使っていて、今後どうするかを検討中の方向けに選択肢を挙げてみたいと思います。
1. アプリ自体終了
意外かも知れませんが、割と多いのではないかと考えられます。アプリをリリースしたものの、収益になる訳でもなく特に運用と言ったことも行っていないアプリの場合、Parse.comが終了したタイミングでエラーになってしまう可能性があります。
収益が殆どないということは多くの人たちにとっては問題ないと思われますが、ごくごく一部の方にとっては致命的なエラーになるでしょう。また、ダウンロード数がそこそこあったとしても昔からのアプリでメンテナンスされていないものについてはこのタイミングで止めてしまう可能性があります。
2. OSS版を利用する
Parse.comが代替手段として定義しているのがOSS版のParse-Serverです。ただしAPIしか実装されておらず、プッシュ通知機能もないため使い勝手は大きく見劣りすることでしょう。何より、自分たちでサーバのメンテナンスをしなければならないのがデメリットです。
もしこのOSS版に機能追加してサービスを提供する企業が現れたとしても、そもそもParse.comがあきらめたビジネスを規模を縮小して続けるだけになるので長くは保たないと予想されます(実際にすでに現れています)。これを機会にサーバ開発者を雇用し、自分たちでアプリのUIとサーバサイドを両方ともメンテナンスしていこうと考える企業は利用する価値があるかと思います。
OSS版はParse.com以外の選択肢もあります。(オンプレミスの時に。オープンソースなmBaaS×9選を参照のこと)
3. 他のmBaaSへの移行
最も多いのがこのパターンではないかと思います。多くのmBaaSプロバイダーが息巻いている状況なので、少し様子見しても良いかもしれません。半年くらい経てば、最もParse.comから乗り換えやすいサービスが出てくるでしょう。
ただしmBaaSの乗り換えはParse.comと同じリスクを含むことになります。Parse.comがmBaaSにおける最大手であったことを考えると、他のサービスはもっと容易に終了してしまうリスクがあると言えるでしょう。そのため、乗り換えやすさだけでなく、サービスの信頼性であったり安全性について重点をおくべきです。
4. 自社開発
あまり多くはないと思いますが、スクラッチで開発するという選択肢もあります。プッシュ通知だけ他のASPやクラウドサービスを使うこともできるでしょう。大規模に成長したアプリにおいてはParse.comの性能では十分でなかったり、コストが高くついてしまうケースがあります。また、これはOSS版を使ったとしても解消は難しいでしょう。自分たち専用のAPIを作って使うようにした方が安定するはずです。
Parse.comからの乗り換えはアプリのステージによって分かれてくるかと思います。
- リリース前、直後:他のmBaaSへの乗り換え
- 運用中(更新も頻繁):他のmBaaSへ乗り換え、またはOSS版、自社開発
- 運用中(更新なし):他のmBaaSへ乗り換え、または終了
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