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ニフティクラウド mobile backend アプリ開発セミナー レポート その1

6月23日(火)にニフティクラウド mobile backend アプリ開発セミナーが開催されました。 アプリ開発一気通貫!開発からテスト、サービス改善まで と題して最近のアプリ開発を巡る周辺サービスを知ることができるセミナーとなっています。

今回はそのセミナーからイノベータ 平石大祐 氏による発表 ユーザテストを使った効果的な改善手法とは? をレポートしたいと思います。

ユーザテストを使った効果的な改善手法とは?

当社のユーザテストサービスUIscopeは1200社以上の導入実績を持ち、ユーザテストを簡単に行えるサービスです。ユーザテストを使えばアプリを高速に改善することができます。

ユーザテストはユーザが使いやすいか、ユーザが価値を見出してくれるかを知るためとUXを可視化する手段として効果的です。最近のユーザはリテラシーが高いので、良い機能だけでは使われません。

一般的なユーザテストの手法は、ユーザにタスクを提示してその実行過程を観察します。操作シーン、思考発話が重要で、通常は横にモデレーターがいて、発話を引き出します。ユーザの行動を観察する理由は、人間は自分の思考を完璧に言語化することができないからです。例えばアンケートを使った場合、面倒臭いのできちんと書いてくれる人が少ないです。

ユーザテストのタイミングとしては、モックアップ時、リリース直前、リニューアル時が特に有効です。

こんな方にユーザテストをオススメします

  • 定量的なデータをまだあまり取れてない方
  • 定量データをうまく活用できてない方
  • これから新しいサービス立ち上げる予定の方
  • サービスリニューアルを予定の方
  • 上司・現場スタッフを説得したい方

最後の上司・現場スタッフを説得したいというのが意外と多いです。根本には誰のためのデザインなのかということがあります。それをユーザテストの結果、つまりユーザが求めているものを見せれば、良い説得材料になります。

従来のユーザテストの課題として、既存のものは100万円以上のコストと1ヶ月以上の時間がかかり、情報がオープンでないという点がありました。我々のサービスは費用は1/20、リモートでユーザテストを行って高速にテストでできます。

https://www.youtube.com/watch?v=GA-kVPPUq2w

ニールセンによると、5人でテストすることで85%の問題を発見できると言われています。一度に15人にテストをするより少人数のテストと改善を繰り返し行った方が効率が良いそうです。

ユーザテストから発見される問題で多いものは、ユーザが特定の操作ができないこととサービスの特徴が理解していないという2点がありますが、後者のほうが多いです。開発者はずっとサービスに関わっているので、ユーザとのサービスの理解度に対する「ギャップ」が非常に大きいことがわかります。

事例1

  • アパレルECサイトでの事例
  • PCに比べてスマホ購入のCVRが異常に低い
  • 一定期間無料で返品可能な点が特長

仮説として企業側も「UIが悪いのか」等、色々と考えていたようです。しかしユーザテストの結果は、「初めて買うブランドなので、サイズ感がわからない」(5人中4人が同じコメント)でした。

企業側は返品無料なのでサイズが合うかわからなければ、2つ買っていずれか返品してもらってもよいと考えていましたが、ユーザは返品無料はわかっているが、同じものを2サイズ同時に購入する発想がありませんでした。

改善方法として利用方法についての簡単な説明画像を数枚追加しました。その結果、改修後2ヶ月で購入までのCVRが1.4倍を達成しました。

事例2

  • プッシュ通知で過去の思い出を思い出させてくれるアプリ
  • リリース前に検証

ユーザテストの結果は、アプリを立ち上げてすぐに出る「アプリのプッシュ通知を許可する」人が誰もいません(5人中0人)でした。プッシュ通知が売りのアプリなので、これではアプリの機能が全く役に立ちません。

同様にいきなりユーザにプッシュ通知の許可を求めてしまうアプリは非常に多いです。これは初対面の人向かっていきなり連絡先を聞くようなものです。これでは誰も連絡先を教えたりしないですよね。なお、このプッシュ通知の許可ダイアログは一旦拒否されるとほぼ有効にしてもらうのは無理となっています。

プッシュ通知についての解決策ですが、海外の事例があります。Clusterという海外のプライベートSNSアプリがあります。友人をグループ追加して、仲の良い友人同士で交流するSNSです。

このアプリでは、pre-permission Dialogsとして友人がグループに参加したときに通知しますかとプッシュ通知の承認画面を出しています。プッシュ通知を承認するメリットを事前に与えることで、プッシュ通知許可に対する離脱を防いでいます。もし、最初で許可を得られなかったとしても、また必要なタイミングで許可を求めることで、プッシュ通知許可をえられるようにしています。

事例3

  • RPGのゲームアプリ
  • 3日目で離脱率が高い理由を解析
  • アナリティクスだけでは離脱率の高い理由が不明

ユーザテストでは、同様のゲームプレイ経験のある5人のユーザに5日間使ってもらいました。結果、ユーザの強化アイテムについての理解が乏しいということがわかりました。LV10で出現するアプリが強化アイテムなのですが、アイテムを使ったらなくなってしまうのかなど、強化アイテムを使うのに躊躇してしまっていたようです。

改善点はアイテムの説明文言・表示位置を変更しました。その結果、3日継続率が8.9%UPしました。

ユーザテストでわかること

  1. 想定すらしていなかった課題を発見できる
  2. ユーザの「why」を理解することができる

ユーザテストでの注意点は1回だけでなく、繰り返すことがが大切です。

質疑応答

Q.ゲームサイトのデザインをリニューアルする場合にリニューアル前のデザインでゲームをプレイしたことあるユーザのようなマニアックなケースも対応できますか?

  1. 可能です。私たちの持っているユーザベースの中から条件にあるユーザの方をピックアップしてテストできます。

http://www.slideshare.net/hiraboo/20150623slideshare